2014年1月11日土曜日

石の彼

彼は石になるだろう。僕の墓標が石だったのに対し彼は墓になったことがある石になるだろう。
いわれのない明日を拒み続ける発語、行き場のない回想、手放さない覚悟、うたいつづけてきたうたも色褪せてしまいそう。あとは本当のことだけで埋め立てられてしまう因果の硬度。
闇の底にある森が呼んでいる。深く重い夢の唸り、それは言の葉たちが音を交わさずとも最終的に還っていく場所。
のぼらない血、歌わない骨。
奪われてしまうほどに覗き込んだ光の目が砕かれた墓石に宿る夢をみている。
沈み続けること、光続けること、音を立てないこと、沈み続けること


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